瀬戸内の伝統文化「石風呂」復活に取り組む地元企業とNPO法人の挑戦が結実 「だるま窯様式の石風呂」の実証実験が完了し、今治市大西町にて展示を開始

株式会社ありがとうサービス(愛媛県今治市、代表取締役社長:井本 雅之)と、「瀬戸内石風呂文化継承の会」を主催する特定非営利活動法人Vサポート(愛媛県今治市、代表:阿曽沼 温良)が共同で、日本古代のサウナとも称される「石風呂」の再興活動として新たなモデルを考案。「だるま窯様式の石風呂」と命名し、愛媛県今治市大西町大井浜10番地にて展示を開始しました。

両団体では、瀬戸内地域で親しまれていた石風呂の存続と継承を目的として、次世代へ継承可能な石風呂の様式や運用の在りかたなどについて研究を進めています。今回完成に至った石風呂は、今治市菊間地区伝統のいぶし瓦窯「だるま窯」の築窯技法を取り入れて、廃屋の屋根瓦や建築廃材を活用。循環型社会を意識しながら、燃料となるシダの燃焼実験を繰り返しました。

「だるま窯様式の石風呂」を見学いただくことで、石風呂に親しんでいた地元の方々はもとより、未だ体験したことのない方々にも、今治地域の豊かな伝統文化に関心を高めていただければ幸いです。「風と土と なつかしい未来づくりプロジェクト」を掲げる株式会社ありがとうサービスは引き続き、地域の皆さまと連携して、新しくてなつかしい地域文化の再興に取り組んで参ります。

●石風呂とは
おもに石で造られた室内でシダなどを燃やして直接熱し、水に浸したムシロを敷き蒸気を発生させる日本伝統の蒸気・熱気浴風呂。サウナより発汗効果は大きいとも言われており、古来より瀬戸内地域において地域住民の疲労回復と癒しに利用され、世代を経て受け継がれてきました。今治市内においては大西地区の「九王の石風呂」をはじめ、「菊間浦が浜の石風呂」、「桜井石風呂」など、地域固有の文化として親しまれています。近年は各地で運用が休止しており、このままでは瀬戸内地域から石風呂に関する歴史と伝統が途絶えてしまうことが憂慮されています。