すみだ北斎美術館 展覧会開催のお知らせ
しりあがりサン北斎サン ―クスッと笑えるSHOW TIME!―
左|しりあがり寿「ちょっと可笑しなほぼ三十六景 青富士」(c)しりあがり寿 すみだ北斎美術館蔵(通期)
右|葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」 すみだ北斎美術館蔵(後期)
|展覧会概要|
世の中の不条理や不合理をゆる~いタッチで描き出す、マンガ家でありアーティストのしりあがり寿氏。2018年に当館で開催した展覧会「ちょっと可笑しなほぼ三十六景 しりあがり寿北斎と戯れる」で発表した、北斎の「冨嶽三十六景」に戯れてみたパロディ作品「ちょっと可笑しなほぼ三十六景」に、更に今回は「青富士」「瑠璃富士」などの新作や、原案となった当館所蔵の北斎作品等、より大きな構成で約160点を展示します。「東海道五十三次」「諸国瀧廻り」などの浮世絵から『椿説弓張月』などの版本まで、世界に名だたる北斎の画業の幅広さもご覧いただきつつ、しりあがり流に解釈した北斎ワールドをお愉しみください。しりあがりサンがオモシロイのか?北斎サンがフザケているのか?常識を裏から膝カックンする、いたずら心と遊び心満載の、思わずクスッと笑える展覧会です。
作家プロフィール
しりあがり寿(しりあがり・ことぶき)
1958年静岡市生まれ。神戸芸術工科大学専任教授、日本大学藝術学部非常勤講師。
1981年多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業後、食品メーカーでデザイン、広告、商品開発等をてがける。1985年単行本『エレキな春』で漫画家デビュー。1994年独立後はマンガ、イラストなどに幅広く活動。2016年に「しりあがり寿の現代美術 回・転・展」(練馬区立美術館)、2018年「ちょっと可笑しなほぼ三十六景 しりあがり寿北斎と戯れる」展(すみだ北斎美術館)、2020年「古典×現代2020-時空を超える日本のアート」(国立新美術館)に出展、現代美術にも活動の幅を広げている。2011年、東日本大震災や原発をテーマにした『あの日からのマンガ』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。2014年、紫綬褒章受章。
しりあがり寿「しりあがり寿肖像画」(溪斎英泉「北斎肖像画」国立国会図書館デジタルコレクション使用)
葛飾北斎(かつしか・ほくさい)
1760年~1849年。
本所割下水(現在の墨田区北斎通り)付近で生まれる。生涯に引っ越しを93回したと伝わるが、多くの時間をすみだで過ごした。勝川春章に入門し勝川春朗を名乗った後、勝川派を離れ江戸琳派の頭領である俵屋宗理を襲名。俵屋から独立後、北斎の名で活動したが、その後も改名を繰り返し、生涯で使用した画号は30にのぼるという。幅広いジャンルの作品を手掛けたが、浮世絵に風景画のジャンルを確立させたことや、読本挿絵の芸術性を飛躍的に高めたことは大きな功績の1つである。主な作品に、「冨嶽三十六景」、『北斎漫画』など。
溪斎英泉「北斎肖像画」国立国会図書館デジタルコレクション
しりあがりサン北斎サン
本展のタイトルである「しりあがりサン北斎サン」の「サン」という言葉には、意味を重ねて込めました。個人の名前のあとに敬称としてつける「さん」、絵をほめたたえるまたは批判・批評するという意味の「讃・賛」です。